あしたはどっちだ、寺山修司

監督
相原英雄

出演
寺山修司
河田悠三 かわなかのぶひろ 京武久美 佐々木英明
  佐々田季司 笹目浩之 J・A・シーザー 白石征 昭和精吾
  高取英 寺山孝四郎 寺山暢人 寺山偏陸 鳴海廣 新高けい子
  萩原朔美 パンチョ目黒 藤巻健二 藤原薫 幻一馬 蘭妖子
九條今日子


2017.10.7
12月2日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開!
2017.8.25
今冬、シアターイメージフォーラムほか全国順次公開が決定しました。

2017.8.1
公式サイトがオープンしました!




体制に迎合しない異端児、時代を挑発していく異端のマルチクリエイター寺山修司。
そのエネルギーは、あらゆる既成概念を次々と破壊していきました。
寺山が生前書いた、189冊の書物には多くのレトリックがはりめぐらされており、誕生日でさえ2回あるなど、
多くの虚構で過去を固めています。
残された文献、資料の中に寺山の真実を見つけるのは難しく、様々な場所の足跡を追い続けていくと、迷路に迷い込んでしまいます。
寺山の本当の人生は謎につつまれたままなのです。

「書かれた詩句」以上に
「消された詩句」の方が人の心を打つこともあるのだ
寺山修司



▲ 寺山修司(右側スーツ姿)は横尾忠則(右から3人目)らと
演劇実験室天井棧敷を立ち上げた 写真 羽永光利


寺山は主宰していた演劇実験室、天井棧敷で、30以上の戯曲を書き上演しました。
「演劇による革命」を標榜し、その演出方法は、過激でした。

「街は いますぐ劇場になりたがっている
さあ 台本を捨てよ 街へ出よう!」
寺山修司


1975年、4月19日土曜日、事件は起こりました。
新宿駅周辺では数百人の若者が、寺山が計画した壮大な市街劇「ノック」の上演を待っていました。


▲ 市街劇ノックの地図 観客は地図を頼りに劇が行われる場所を探す。
劇というより事件だった。


杉並区一帯を使い、30ヶ所で30時間にも及ぶ市街劇「ノック」を一切の許可をとらずにゲリラ的に行うのです。
この同時多発的な市街劇により、街が無法地帯になることを恐れた警察は厳戒態勢に入っていました。学生運動の盛んな時代です。
学生たちが、ゲリラ劇をきっかけに暴動に発展することを恐れていたのです。

寺山が掲げたテーマは、「人々の閉ざされた心をノックし意識を変革する。」
つまり平穏な日常に突然、劇が侵入し刺激を与える、
あまりに早すぎた「フラッシュモブ」過激版とでもいうべきものでした。

無関係な住民たちにも手紙が送りつけられ、参加が要請されました。
銭湯では、突然、劇が始まり、なにも知らない客が逃げだし大混乱に。
別の場所では、箱に閉じ込められた観客が遠く離れた港に放置され、300台のオートバイが杉並を突っ切たかと思えば、
車椅子に乗ったミイラ男が、大勢の観客を連れて団地のドアをノックして歩く・・・。


▲ 突然、観客がマンホールに引きずり込まれる。
撮影 かわなかのぶひろ+中谷芙二子


住民の苦情があいつぎパトカーが出動、警官隊は予定していた劇を次々と中止させていきました。
劇団員は逮捕され、寺山も警察に出頭しました。
しかし寺山は警察の出動や批判するマスコミさえも市街劇の一部だと考えていたのです。




▲ 花嫁が現れ観客は目隠しされて行先不明のバスで連れて行かれる。
写真 羽永光利



▲ ミイラ男は団地に侵入。ノックして歩き、警察に逮捕される。
撮影 かわなかのぶひろ+中谷芙二子



▲ 観客も変装して勝手に芝居を始める。
もはや観客も劇団員も住民も区別がつかない。街中が舞台だ。



▲ 警察は包囲網を敷き、ゲリラ劇を中止させていく。


寺山は、アナーキストを自負し、
それ以前にも学生運動のセクトにゲリラのアイデアを提供したとして取り調べも受けていました。

国家権力に立ち向かう寺山のエネルギーの原点はなにか?

調べていくうちに
寺山の元妻でプロデューサーとして最後まで支えた九條今日子さんの
「青森は寺山の秘密工場、なにかがひそんでいる」という言葉に出会いました。
寺山が少年時代をすごした青森。小学校時代の破られた写真。




▲ 破られ糸で縫われた記念写真


過去に秘密があるのではないか?
青森市、三沢市、弘前市、と過去を遡って親族や同級生たちを訪ね歩きました。




▲ 霧で覆われた三沢 不思議な寺山ワールドに入っていく


そこで、数々の証言を得るうちに、
寺山の創作や思想に影響を与えた驚くべき過去が浮かび上がってきたのです。
さらに、演劇による革命を標榜した寺山が、最後に計画していた幻の市街劇の存在が明らかになりました。

実験段階の記録映像によると、
それは国家権力へのリターンマッチとも思える過激なものでした。

実験をするからには、本来の目的があるはずです。
寺山は、人生の最後にどんな過激な劇をたくらんだのか?
取材を進める中で、驚愕の事実にたどり着きました。




▲ 何も知らない市民に仕掛けられた実験に戦慄が走る。
撮影 かわなかのぶひろ


「幻の市街劇」を通して、 寺山修司の最後のメッセージに迫ります。




寺山修司プロフィール

1960年代から70年代、80年代を駆け抜けた異端のマルチクリエーター。
47歳の若さで亡くなった。

その才能は、演劇、映画、写真、作詞、エッセー、短歌とあらゆるジャンルに広がり、
多くの賞を受賞し世界的に評価されたが、常に異端者のレッテルを貼られ続けた。

短歌新人賞をとるが、模倣疑惑に始まり、のぞき疑惑、市街劇での役者の逮捕事件、
著作「家出のすすめ」では、影響された多くの若者が家出し社会問題化、
赤軍との関連を疑われるなどスキャンダルにはことかかなかった。


▲ 寺山修司主宰の天井棧敷劇団員と観客の乱闘 1974年 写真 相原英雄


没後34年経つが、今もサブカルチャーの先駆者として注目され、
残された多くの言葉は時代が変わっても斬新で刺激的である。



「引き金を引け、言葉は武器だ」
寺山修司




タイトル「あしたはどっちだ、」について

寺山修司が作詞したアニメ「あしたのジョー」主題歌の一節
あしたはきっとなにかある あしたはどっちだ


監督:相原英雄

相原英雄 1954年生まれ。東京都出身。早稲田大学卒。
プロデューサー、監督。15歳から自主映画を製作。
現在までに映画、テレビ番組、アニメなど500本以上をプロデュース、演出した。
主な作品に、ドキュメント:「世界初公開!諜報機関KGB」「スペイン放浪の民ジプシー」「中国上海公安局」
「初公開!ソビエト空軍」「ホノルル警察24時」「パリ巨大航空ショー、武器商人を追う」「エジプト大ロマン王家の秘宝」、
ドラマ:つげ義春ワールド「退屈な部屋」(第36回ギャラクシー選奨受賞)「七瀬ふたたび」アニメ:「銀河鉄道物語」
映画:「KAKASHI案山子」など多数。

株式会社プラネットエンターテイメント代表取締役。
会社ホームページ
www.planet-e.co.jp


寺山修司
河田悠三 かわなかのぶひろ 京武久美  佐々木英明
佐々田季司 笹目浩之 J・A・シーザー 白石征 昭和精吾
高取英 寺山孝四郎  寺山暢人 寺山偏陸 鳴海廣 新高けい子
萩原朔美 パンチョ目黒 藤巻健二 藤原薫 幻一馬 蘭妖子
九條今日子


監督:相原英雄
特別監修:九條今日子  監修:寺山偏陸 笹目浩之
  プロデューサー:相原英雄 瓜田尚久 鈴木康弘
アソシエイトプロデューサー:笹岡正之 大上貴摩瑳
企画協力:藤森茂  劇画:松森茂嘉  題字:笹目浩之
青森撮影協力:福士正一 福士輝子  三沢撮影協力:岩間秀逸
音響効果:牛腸正二郎  ポストプロ:映像通信  MAミキサー:大澤竜哉
ナレーター:野村達也 會田栞子
イメージシーン出演:籠原帝子 髙橋優太 渡部剛己
協力 :イメージフォーラム  ポスターハリス・カンパニー
  演劇実験室⦿万有引力 月蝕歌劇団 三沢市寺山修司記念館 三沢市
  羽永光利プロジェクト実行委員会 ディクトリー 吉岡映像 他
制作協力:テラヤマ・ワールド  ホームページ制作:山本美里
製作:プラネットエンターテイメント  配給:プレイタイム(斉藤陽)


1970年、15歳、高校入学初日、正門で、反戦デモの不当逮捕に抗議するハンガーストライキが行われ、
全校集会では、教育改革委員会の学生が、カリキュラムの改革を訴え、アジ演説を行っていました。
初めて接する学生運動であり、5月にはべ平連のベトナム戦争反戦デモに自主映画の撮影に行き、
ジグザグデモをしていた同じ高校の仲間が、公務執行妨害で逮捕されました。
全く政治に無関心だった私ですが、遠いベトナムで起きている戦争への抗議活動に身を挺して戦っている同世代の若者たちに、
ある種の連帯感を感じました。


▲ ベ平連のベトナム戦争反戦デモ1970年 撮影 相原英雄(当時15歳)


そのころ、常にバイブルとして繰り返し読んでいた本がありました。
中学2年13歳、怪獣映画に夢中だった私を、クラスのリベラルな友人からゴダールの映画に誘われ、
帰りに、当時ヒッピーのたまり場だった新宿風月堂を探検に行き、
隣の大学生たちが激論していたテーマが「書を捨てよ、町へ出よう」の本でした。
新宿の紀伊国屋書店に山積みされていた本。サイケな表紙、中学生が読んではいけないような怪しい本。

作者は寺山修司。
親を捨て家族を捨てろ。既成概念の破壊が書いてあり、寺山修司の自宅の住所までが書いてありました。
いつか、訪ねようと心に決め、15歳になって、初めて会いにいったのです。
わずか10分の出会いでしたが、刺激的な10分、こうやって作者に会いにいくというのは、
15歳の私にとっては、生まれて初めての大きな決断でした。

「自由」というのは、自らの心の解放だと寺山修司は教えてくれました。

高校時代から寺山の実験映画や演劇の影響を受け自主製作映画に没頭し、大学を卒業後、
テレビ映画制作会社に入社しディレクターになります。
寺山修司に原作を依頼する番組の企画を出しますが、新人ディレクターの企画は採用されず、
やがて寺山は47歳の若さで亡くなります。私が28歳の時です。

寺山と作る作品は実現できませんでしたが、いつか、寺山本人のドキュメントを作ろうと心に決めました。
あれから30年以上がたち当時の関係者が次々と亡くなりはじめ、
今がドキュメントを撮れるぎりぎりの時代だと考え、個人製作で着手しました。


▲ 元・天井棧敷の幻一馬氏に取材中の相原監督(左) 2年間で21人に取材


けっして固い歴史物や偉人伝ではありません。
ミステリーを見るように謎解きを楽しんでください。
寺山世界を楽しんでいただきたいのです。
心に残るなにかを発見できると確信しています。
価値観を転倒させ、意識に革命を起こす寺山スピリッツは、今でも十分、魅力的です。

寺山の発する既成概念をぶち壊すエネルギーの原点があります。
語られることのなかった真実の寺山を見ていただきたいと思います。
ここちよい挑発を楽しんでください。


地域 劇場名  TEL  公開日 
東京   シアター・イメージフォーラム 03-5766-0114   12月2日(土)~




上映応援プロジェクトで多くの方にご協力いただきました。
心より感謝申し上げます。

特別協賛(敬称略)
石田諒   ハル・ミヤコ率いるUMA軍団

サポーターの方々(敬称略)
川口 晃太朗  かわみやよい  氷堂セツナ
hako gallery  AKIRA TAKADA  hazy
周宝寛和  田中 孝子  そねわきひでお
PANIKO PANIYAMA  野崎貴志 前田治昌
仁平政人  吉田裕美  かじ葉子
Dollhouse Noah  小林正樹  世良啓
野坂哲史  鈴木明大  蒔田恵美
ダンノマサキ  マカオ寺山応援団  ホンダケイ
松浦美奈  澤田勇矢  伊藤元宣
安部理絵子  J.WADA  イクタケマコト
  佐藤 香菜美  土岐敦司  岩本玲子
及川夕歌  坂麻実  坂本明子
松藤亜紀  岩田富士彦  レレレのレィ
Natuyagi Hiroshi  UMA軍団当直室  トモエアスカ
桜井妙子  山本 龍司  庄司 みづほ
櫻井ザンギ  うだしんや  嶋本禎子
堀 義徳  上入佐 秀平  いまだ ゆうこ
葉山明彦  kiki  染谷昌義
田中慶一郎  川田 保至  伊藤里実
角倉典彦  本田晃美  高瀬三奈
ないある  小川潤悦  佐々木了淳
内田直洋  渋谷唯子  ぎゃらりーウォーター・ベア
鈴木健司  yukisumire  元木 友平
今 美幸  大西ひかる  金井路子
かじゅ   関谷正樹  坪坂真由美
小野 雄一  進藤健一  関谷大陸  Suza